改訂新版 世界大百科事典 「中種子」の意味・わかりやすい解説
中種子[町] (なかたね)
鹿児島県熊毛郡,種子島中央部の町。人口8696(2010)。町域はゆるやかな丘陵地からなり,北部は山林,中南部は耕地が多い。中心集落の野間は島の南北をつなぐ交通の要地で,近くには種子島空港(06年町内に新種子島空港が開港したため供用廃止)があり,大阪,鹿児島へ航空路が通じる。基幹産業は農業で,1戸当りの平均経営規模163a(1980)は県平均を大きく上回る。サトウキビを主に米作,オランダエンドウ,タバコ,サツマイモ,茶などの栽培と畜産が盛んで,農水省鹿児島サトウキビ原原種農場(現,独立行政法人の種苗管理センター鹿児島農場),製糖工場,デンプン工場などがある。水産業はサバ,カツオなどの一本釣りが主体で,近年はウナギの養殖も行われる。東海岸には波食地形が多く,犬城(いんじよう)海岸,熊野海岸などの景勝地があり,熊野海岸には種子島温泉(含ボウ硝重曹泉,25℃)がある。
執筆者:赤池 享一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報