久安寺(読み)きゆうあんじ

日本歴史地名大系 「久安寺」の解説

久安寺
きゆうあんじ

[現在地名]池田市伏尾町

高野山真言宗。大沢山安養院と号し、本尊千手観音。当寺の伽藍開基記(「摂陽群談」所載)によると、神亀二年(七二五)行基が、光明を放ち沢から出現した、閻浮檀金でできた一寸八分の千手観音を本尊とし、一小宇を建立したのに始まるといい、聖武天皇の勅によって堂・塔が整えられ、さらに阿弥陀仏を安置する安養あんによう寺、地蔵菩薩を安置する菩薩(提)寺、山中には慈恩じおん寺が建立されたという。天長五年(八二八)空海が留錫し真言密教の道場とし、治安三年(一〇二三)には定朝が一尺八寸の千手観音像を刻し、沢より出現した千手観音像を胎内に納め本尊とした。保延六年(一一四〇)金堂以下諸堂を焼失したが、久安元年(一一四五)近衛天皇勅命で賢実が復興、年号より現寺号に改め、同天皇より宸筆勅額と庄田七〇余町をもらった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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