久田宗全(読み)ひさだ・そうぜん

朝日日本歴史人物事典 「久田宗全」の解説

久田宗全

没年:宝永4.5.6(1707.6.5)
生年正保4(1647)
江戸前期の茶人。久田家3代。父は久田宗利,母は千宗旦の娘クレ。徳誉斎,半床庵と号した。通称雛屋勘兵衛。庵号となる茶席半床庵は四畳中板の席で中柱をたてる形式で,点前座と客座の間に入れられた中板を天の川にみたてて「天の川の席」ともいわれる。宗全は茶道具にも工夫をみせ,ことに置花入として手付きの籠花入をデザインし,宗全籠の名で今日も多用されている。手造りの茶碗も「赤茶碗銘かき餅」をはじめいくつか現存するほか,好みものの道具が多い。その息子が千宗左(5代)の養子(6代,覚々斎)となった。<参考文献>久田宗也『京の茶家

(熊倉功夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「久田宗全」の解説

久田宗全 ひさだ-そうぜん

1647-1707 江戸時代前期の茶人。
正保(しょうほ)4年生まれ。久田宗利の子。母は千宗旦の娘くれ。久田家3代。楽茶碗や花入れなど茶道具の手作りを得意とし,宗全籠(かご)花入れは著名である。宝永4年5月6日死去。61歳。本姓本間。通称は勘兵衛。号は徳誉斎,半床庵。屋号は雛屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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