九百九十九匹の鼻欠け猿満足な一匹の猿を笑う(読み)くひゃくくじゅうくひきのはなかけざるまんぞくないっぴきのさるをわらう

精選版 日本国語大辞典 の解説

くひゃく【九百】 九十九匹(くじゅうくひき)の鼻欠(はなか)け猿(ざる)満足(まんぞく)な一匹(いっぴき)の猿(さる)を笑(わら)

  1. ( 天竺(てんじく)舎衛国の大木に一〇〇〇匹の猿がいて、九九九匹の鼻の欠けた猿が、五体満足一匹の猿をあざけり笑ったという「今昔物語‐五」にみえる話から ) 醜悪な多くの者が、ごくわずかの正しい人をそしること。また、仲間が多ければ、自分たちの欠点に気がつかないことのたとえ。
    1. [初出の実例]「九百九十九尾(ヒキ)鼻欠猿(ハナカケザル)、満足(マンゾク)な一尾(イッピキ)の猿を笑(ワラ)ふとは儕(おのれ)が事、卑怯不忠を知るまいと思ふか」(出典浄瑠璃大内裏大友真鳥(1725)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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