乱れ(読み)ミダレ

デジタル大辞泉 「乱れ」の意味・読み・例文・類語

みだれ【乱れ/×紊れ】


まとまっていないこと。整っていないこと。「裾の―をなおす」「電波の―」
秩序などが崩れること。「世の中の―」
心が平静さを失って混乱すること。「心の―を静める」
舞事まいごとの一。笛を主に、大鼓・小鼓・太鼓ではやす緩急の変化の激しい舞。「猩々しょうじょう」と「さぎ」にあるが、曲も型も異なる。
歌舞伎下座音楽の一。太鼓と能管による鳴り物時代物御殿の場で、つぼねや姫などの女方の出入りに用いる。乱れの鳴り物。
乱れ焼き」の略。
天候が悪くなること。
「頭さし出づべくもあらぬ空の―に」〈明石
《近世上方語》乞食こじきのこと。
「ええ、―めが言ふやうなことぬかしけつかる」〈滑・膝栗毛・六〉
箏曲そうきょく。「乱輪舌みだれりんぜつ」の略称。純器楽曲の段物の一つで、八橋検校やつはしけんぎょう作曲と伝える。各段の拍数が不規則。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乱れ」の意味・わかりやすい解説

乱れ
みだれ
turbulence

流体の流れにおいて,速度圧力などが不規則に変動することをいう。乱れを含む流れを乱流という。レイノルズ数がきわめて大きい流れは,たいていの場合に乱流である。乱れは不規則であるから,個々の乱れではなく,その集団の統計法則を研究する場合がある。これを乱れの統計理論,または統計流体力学という。この理論のおもな結果としては,A. N.コルモゴロフのエネルギースペクトル E(k)∝k-5/3 ( k は波数) が有名である。コルモゴロフのスペクトルは海流の乱れなど,レイノルズ数のきわめて大きい乱れについて成り立つことが知られている。

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