リンパ液が混入して白く濁った尿をいう。リンパ管、とくに胸管部に通過障害があったり、泌尿器系リンパ管が破れてリンパ液が腎盂(じんう)や尿管内に入ると、尿に混じって乳糜尿になる。脂肪の多い食物をとると、乳糜尿は著明になる。原因はフィラリア症による胸管の閉塞(へいそく)がもっとも多く、そのほか縦隔洞部の腫瘍(しゅよう)、動脈瘤(りゅう)による胸管の閉塞、腎や尿管あるいはその周辺の腫瘍、炎症などである。乳糜尿は米のとぎ汁状と形容されるが、血尿が混じると小豆(あずき)とぎ汁状と表現される乳糜血尿になる。乳糜尿は線維素尿を合併するので、フィブリン(線維素)塊が膀胱(ぼうこう)や尿路中に生じて排尿困難をきたすこともある。放置すると、低栄養状態になってしまう。
[河村信夫]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...