乳繰(読み)ちちくる

精選版 日本国語大辞典 「乳繰」の意味・読み・例文・類語

ちちく・る【乳繰】

〘自ラ五(四)〙 (「乳繰」は当て字) 男女がしのびあって情を交わす。男女が人目をしのんでむつみたわむれる。私通する。他動詞的に、男が女をものにし自由にする場合にも用いる。ちゃちゃくる。ちぇちぇくる。ててくる。
浮世草子・好色床談義(1689)三「親となりのなすび売とちちくり」
[語誌]上方では「ちちぇくる」「ちぇちぇくる」「ちょちょくる」「ててくる」など類似語形があり、その中で、最も長い期間使われた「ちぇちぇくる」の転訛形が「ちちくる」とされる。さらに、「ちぇちぇくる」は「せせくる」の変化形とされるが、この変化には、男女のむつまじげにしゃべるさまを、雀(すずめ)のさえずり(「ちぇちぇ」「ちょちょ」「ちゃちゃ」)にたとえることがきっかけとなっているか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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