出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
飛行機の先駆的研究者。伊予国宇和郡矢野町(愛媛県八幡浜市)の人。丸亀(まるがめ)の歩兵第十二連隊に看護卒として入営、1889年(明治22)の演習中に鳥の飛ぶのを見て飛行機の研究を志し、ゴム動力による紙製模型飛行機などを試作。日清(にっしん)戦争に従軍中、飛行機の設計図をつけて飛行機研究の重要性を述べた上申書を再三提出したが却下された。そこで独力で発明を完成させるため除隊し製薬会社に入社、やがて自ら製薬会社を設立して社長となり研究を続けたが、1903年のライト兄弟の飛行成功を知り、また自動車事故で重傷を負ったことなどがあり、研究を断念した。1915年(大正4)京都府八幡(やわた)町(現、八幡市)に飛行神社を造営、航空殉難者の霊を祀(まつ)った。1925年、飛行機の考案に対し逓信(ていしん)大臣から表彰を受けた。
[菊池俊彦]
『日本航空協会編・刊『日本航空史(明治・大正篇)』(1956)』▽『徳川好敏著『日本航空事始』(1964・出版協同社)』
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