五月・皐月(読み)さつき

精選版 日本国語大辞典 「五月・皐月」の意味・読み・例文・類語

さ‐つき【五月・皐月】

〘名〙
① 陰暦五月の称。《季・夏》
万葉(8C後)一七・三九九六「わが背子が国へましなばほととぎす鳴かむ佐都奇(サツキ)はさぶしけむかも」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)笠島「笠嶋はいづこさ月のぬかり道」
② ツツジ科の常緑低木。本州の関東以西、四国、九州の川岸の岩上などに野生し、また、観賞用として庭に植えたり鉢植え盆栽などにする。幹は高さ約一メートルになり、枝はよく分枝して横にひろがり、若枝には葉柄、花柄、萼(がく)とともに褐色の伏毛を密生。葉は互生で枝の先に集まって付き、披針形で両端はとがり、縁はなめらか。五~七月、春葉の開いた後、枝先に径四~八センチメートルの漏斗状の花が一個、まれに二個開く。花冠は紅紫色で先が五裂し上面に濃紅紫の斑点があり、雄しべは五本で葯(やく)は帯紫色。おびただしい園芸品種があり、花色も白・紅・紫紅色や絞りなどさまざまである。陰暦五月に咲く花の意からこの名がある。漢名に杜鵑花を当てるが誤用。さつきつつじ。《季・夏》
仮名草子智恵鑑(1660)一「此ころさつきといふ木のはやりて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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