五服(読み)ゴフク

デジタル大辞泉 「五服」の意味・読み・例文・類語

ご‐ふく【五服】

中国古代に、京畿を中心として、その周囲500里ごとに分けた五つの地域。近くから順にでん服・侯服すい服・要服荒服
中国の五等の喪服斬衰ざんさい斉衰しさい・大功・小功緦麻しま。父の場合は斬衰を3年、母の場合は斉衰を3年着用するなどの別がある。
中国古代の五等の制服天子(王)・諸侯(公)・卿・大夫・士の服装

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精選版 日本国語大辞典 「五服」の意味・読み・例文・類語

ご‐ふく【五服】

〘名〙
① 中国古代、京畿を中心として、その四方周囲、五〇〇里をへだてるごとに定められた五つの地域をいう。京畿の近くから順に、甸(でん)服・侯服・綏(すい)服・要服・荒服、周代には、侯服・甸服・男服・采服・衛服。
※唐詩選国字解(1791)七言古「天下を五服に分るときは邦畿千里の外、四方五百里つつを甸服といふ」 〔書経‐益稷〕
② 中国でいう五等の喪服。斬衰(ざんさい)・斉衰(しさい)・大功・小功・緦麻(しま)をいう。父は斬衰三年、母は斉衰三年、祖父母・伯叔父母・姑兄弟は斉衰一年、同堂兄弟は大功九か月、再従伯叔父母・姑兄弟は小功五か月、三従伯叔父母・姑兄弟は緦麻三か月という。
※制度通(1724)七「中国古へより親族の内に九族五服の差別あり」 〔儀礼‐喪服〕
③ 中国古代に用いられた、五等の制服。天子・諸侯・卿・大夫・士または王・公・卿・大夫・士の服装。〔書経‐皐陶謨〕
④ 五刑の罪を犯した者が、おのおのその罰に服すること。〔書経‐舜典〕

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普及版 字通 「五服」の読み・字形・画数・意味

【五服】ごふく

王畿の外の五つの区域。甸服・侯服・綏服・要服・荒服。

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