交替寄合(読み)こうたいよりあい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「交替寄合」の意味・わかりやすい解説

交替寄合
こうたいよりあい

江戸幕府の職名。非役の幕臣のうち、知行所(ちぎょうしょ)に居住して隔年参勤交代を行う家をいう。1万石未満の旗本でありながら、老中支配に属し、譜代(ふだい)大名なみの殊遇を受けた。表御礼衆(生駒(いこま)氏8000石、朽木(くつき)氏4770石など)と、那須(なす)衆(那須氏など4家)、信濃(しなの)衆(知久(ちく)氏など3家)、参河(みかわ)衆(松平氏など4家)、美濃(みの)衆(高木氏3家)など在所の国(地)名により衆単位で総称される交替寄合衆があり、その数は30家余に上った。大名家から減封となり幕臣となった家や、中世以来の名門の家、徳川家との深い縁故をもつ家が多い。幕臣の参勤交代は江戸時代初頭においては珍しいことではなかったが、これが特定の家筋に固定し、しだいに特権化していったのは17世紀後半のことである。さらに寄合の制度的確立に伴い享保(きょうほう)期(1716~36)には確定したとみられる。

[佐々悦久]

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