京都五山(読み)きょうとごさん

精選版 日本国語大辞典 「京都五山」の意味・読み・例文・類語

きょうと‐ごさん キャウト‥【京都五山】

京都にある臨済宗の五大寺、すなわち、天龍寺相国寺建仁寺東福寺万寿寺総称

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デジタル大辞泉 「京都五山」の意味・読み・例文・類語

きょうと‐ごさん〔キヤウト‐〕【京都五山】

京都にある臨済宗の五大寺。南禅寺別格とし、その下に天竜寺相国寺しょうこくじ建仁寺東福寺万寿寺が位置する。室町時代足利義満の時に定められた。

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百科事典マイペディア 「京都五山」の意味・わかりやすい解説

京都五山【きょうとござん】

京都所在の臨済宗五大寺の称。1334年後醍醐天皇鎌倉五山を京都中心に改め南禅寺筆頭に格づけを行った。のち種々の変遷を経て,1386年天竜寺相国寺建仁寺東福寺万寿寺の五寺が決定され,別に南禅寺を首格,大徳寺を次とした。
→関連項目五山蔗軒日録

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改訂新版 世界大百科事典 「京都五山」の意味・わかりやすい解説

京都五山 (きょうとござん)

鎌倉五山に対し,京都にある臨済宗の大禅刹,すなわち南禅寺・天竜寺・相国(しようこく)寺・建仁寺・東福寺・万寿寺をいう。中国南宋代の五山官寺制度が,日本に移植されたのは鎌倉時代末期のことで,はじめは建長寺・円覚寺など鎌倉の大禅刹をもって五山としていた。建武新政のあと,1333年(元弘3)後醍醐天皇の帰依厚かった宗峰妙超の大徳寺が五山に列せられ,翌年には大覚寺統と深い関係にあった南禅寺が,五山の第1に位列され,京都に五山禅院が出現した。ついで建仁寺・東福寺も五山となった。足利尊氏の建立した天竜寺も,41年(興国2・暦応4)五山に入った。その後臨川寺が五山とされるなど,若干の出入りがあったが,足利義満が相国寺を建立するに及んで,これを五山に列位させようとし,義堂周信の意見を入れて,86年(元中3・至徳3)南禅寺を五山の上,第1天竜寺,第2相国寺,第3建仁寺,第4東福寺,第5万寿寺という京都五山の寺格が最終的に確定した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「京都五山」の意味・わかりやすい解説

京都五山
きょうとござん

京都にある禅宗五大官寺。(1)天竜寺、(2)相国寺(しょうこくじ)、(3)建仁寺、(4)東福寺、(5)万寿寺の5か寺。時期により該当する寺院や位次に変更がある。また五山の上位として南禅寺が置かれた。

[石川力山]

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事典・日本の観光資源 「京都五山」の解説

京都五山

京都の臨済宗五大官寺。室町幕府によって制度化され、足利義満が相国寺を建立後、南禅寺(京都市左京区)を五山の上に昇格させて序列が定められた。
[観光資源] 建仁寺 | 相国寺 | 天龍寺 | 東福寺 | 万寿寺

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旺文社日本史事典 三訂版 「京都五山」の解説

京都五山
きょうとござん

鎌倉五山と並び,中世期に最高の寺格をもつ京都の五つの臨済宗寺院
1386年足利義満のとき,天竜・相国・建仁・東福・万寿の5寺とし,南禅寺を五山の上として確定した。室町幕府の保護のもとに栄え,五山文学など文化上の中心的存在をなした。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「京都五山」の解説

京都五山
きょうとござん

五山制度のもとで最も格式の高い京都の五つの禅寺。天竜寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺の5寺。相国寺建立前に五山冒頭だった南禅寺は五山の別格上位とされた。

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世界大百科事典(旧版)内の京都五山の言及

【鎌倉五山】より

…鎌倉にある臨済宗の五大禅刹,すなわち建長寺円覚寺,寿福寺,浄智寺,浄妙寺をいい,京都五山に対する。中国南宋代の五山官寺制度が,日本に移植されたのは鎌倉時代末期のことで,1299年(正安1)執権北条貞時が浄智寺を五山に列したのが史料上の初見である。…

【五山・十刹・諸山】より

…後醍醐天皇も五山改定を行い,1333年(元弘3)に大徳寺を五山の一つとなし,翌年正月26日に南禅寺を五山第一と定め,2日後には南禅・大徳両寺を同格とし,建武年間には建仁寺や東福寺も五山となっている。足利尊氏が夢窓疎石を開山に天竜寺を創建すると,41年(興国2∥暦応4)足利直義は光厳上皇の院宣を得て,五山第一建長・南禅,第二円覚・天竜,第三寿福,第四建仁,第五東福,準五山浄智と各寺を定め,82年(弘和2∥永徳2)足利義満の相国寺創建がなると,86年(元中3∥至徳3)に五山之上南禅寺,第一天竜・建長,第二相国・円覚,第三建仁・寿福,第四東福・浄智,第五万寿・浄妙と京都五山を優位とする11ヵ寺を設定し,これが後世の五山位の基準となっている。 十刹は1334年(建武1)に五山となるまでの南禅寺が十刹位で,それが初見であり,建武年間には浄妙寺や豊後万寿寺が十刹に列せられている。…

【東福寺】より

…開基は九条道家,開山は円爾弁円(えんにべんえん)(聖一(しよういち)国師)。京都五山の一つ。1236年(嘉禎2)関白九条道家は法性(ほつしよう)寺の近隣,月輪(つきのわ)の山荘に一寺の建立を発願し,39年(延応1)には仏殿建立に着手した。…

※「京都五山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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