人吉(市)(読み)ひとよし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「人吉(市)」の意味・わかりやすい解説

人吉(市)
ひとよし

熊本県南部、人吉盆地南西にある市。1942年(昭和17)球磨(くま)郡下の人吉町と中原、西瀬(にしぜ)、藍田(あいだ)の3村が合併して市制施行。北東部の段丘礫(れき)層ならびに沖積層からなる人吉盆地西端を除けば、市域のほとんどが更新世(洪積世)前期火山岩の九州山地南部からなる。人吉盆地の動脈ともいえる球磨川を支配できる位置にあるこの地は、鎌倉初期から明治に至るまで相良氏(さがらうじ)の主要拠点ならびに城下町として栄えてきた。明治以降も球磨地方の官公庁の所在地、また木材、木炭シイタケなどの林産物ほか米麦、牛馬の集散地としてもにぎわった。国道219号、221号、267号、445号などが市街地で交差するうえ、JR肥薩(ひさつ)線、くま川鉄道が通じ、中心性はむしろ強化されている。国指定史跡人吉城跡大村横穴群国宝青井阿蘇神社(あおいあそじんじゃ)社殿、国指定重要文化財願成寺(がんじょうじ)木造阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)など豊かな文化財、史跡に恵まれ、加えて球磨川右岸に主として分布する30余の泉源を有する人吉温泉、さらに日本三急流の一つで知られる球磨川の川下りなどが、年間約100万人を超す観光客(2014)をよんでいる。九州自動車道の開通(1989)によって地域の新たな発展が期待されている。面積210.55平方キロメートル、人口3万1108(2020)。

[山口守人]


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