人命金(読み)じんめいきん(英語表記)Wergeld

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人命金」の意味・わかりやすい解説

人命金
じんめいきん
Wergeld

ゲルマン法における殺人に対する人命贖罪金 Mannbusse。贖罪金中最も重要なもので,その額はきわめて高く定められており,自由フランク人の通常の人命金は牛 60頭の価値に相当した。人命金の各3分の1はそれぞれ相続人とジッペに,残りの3分の1は国庫に帰属した。前者損害賠償金の性質を,後者罰金の性質を有した。フランク時代の末期になると,贖罪金全額が裁判官に帰属し,被害者に対する損害の補償の仕方は被害者自身に一任されるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android