出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…ある都市の条例はその都市の域外にも及ぶか,みずからの域内にある他の都市の臣民をも拘束するか,こうした形で議論が始まり,条例の性質や目的を基準に,それが人・物そのいずれに関するかによって,あるいはみずからの臣民である限り域外にあっても適用されるとか(属人的域外適用),みずからの領域内にのみ適用範囲が限定されるが他の都市の臣民にも及ぶ(属地的域内適用)とか論じられた(バルトルスなど)。のちこれは人法statuta personaliaおよび物法statuta realiaのカテゴリーでとらえられ,双方の性質をもつかいずれとも決めがたいものは混合法statuta mixtaとされて適用関係では物法と同様に扱われるようになり(ダルジャントレ(1519‐90)),ここに法を3種類に分ける理論が完成した。その後,この理論は都市法のみならず広く地方慣習法やより普遍的な法律についても一般化された。…
…フランク王国の時代においては各人はその属する部族の法に従って生活しており,相異なる部族の者との間の法的紛争においては各自の属する部族の法を明らかにする〈法の宣言〉により問題が解決されていた。これがいわゆる部族法時代であり,人の属する法に従っていたので属人法主義の時代とよばれる。その後は部族の法ではなくいずれかの領域の法が中心となり,この意味での属人法主義は消滅したが,人種・宗教等により法を異にする人的集団の間の法抵触については人際法の形でその影響が残存している。…
※「人法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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