人間(文芸雑誌)(読み)にんげん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「人間(文芸雑誌)」の意味・わかりやすい解説

人間(文芸雑誌)
にんげん

文芸雑誌。1946年(昭和21)1月から51年8月まで67冊と別冊3冊、増刊一冊を発行。鎌倉在住の作家久米正雄(くめまさお)、川端康成(やすなり)、高見順らの始めた貸本屋から生まれた出版社である鎌倉文庫が発行所(50年から目黒書店に移る)。木村徳三編集。戦後文学の出発点として文芸の復興を目ざし、宇野浩二(こうじ)『思ひ草』、正宗白鳥(まさむねはくちょう)『人間嫌ひ』、横光利一(よこみつりいち)『微笑』など既成作家の作品が発表されたほか、織田作之助三島由紀夫武田泰淳(たいじゅん)らの新人を紹介、さらに混迷する思想状況を立て直そうとする論文も数多く掲載された、戦後の代表的文芸誌。

[田沢基久]

『木村徳三著『文芸編集者 その跫音』(1982・TBSブリタニカ)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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