什物(読み)ジュウモツ

デジタル大辞泉 「什物」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐もつ〔ジフ‐〕【×什物】

日常使っている器具類。什器
代々伝わる宝物。秘蔵の宝。什宝
[類語]家具家財指し物什器

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「什物」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐もつジフ‥【什物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 日常用いる器具。道具。じゅうぶつ。
    1. [初出の実例]「校割なんどに什物と云も其心ぞ」(出典:史記抄(1477)三)
    2. [その他の文献]〔無量寿経‐下〕
  3. 代々伝わった宝。秘蔵の宝物。
    1. [初出の実例]「纔(わづか)なる什物(ジフもつ)其数不知」(出典雑談集(1305)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「什物」の意味・わかりやすい解説

什物
じゅうもつ

仏教教団が所有している日用品の種々の器具、生活必需品。元来は什は十、聚(じゅ)と同義で、雑物の意。日用品は十を単位として数えるほど多く、雑多であることからいう。中国宋(そう)代以後に、おもに禅宗寺院で、修行生活に必要な公用物、仏具法器(ぶつぐほうき)類をさして用いられた。日本では古くは『元興寺伽藍縁起并流記資財帳(がんごうじがらんえんぎならびにるきしざいちょう)』のように、寺院所有の器物資財とよんだが、のちには什物あるいは什器とよぶのが一般的になった。また寺院秘蔵の宝物類も什宝とよばれるようになった。

[石川力山]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「什物」の読み・字形・画数・意味

【什物】じゆうぶつ

什器。

字通「什」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android