健康にかかわる事象とその要因との関連を検討する分析疫学の研究方法の一つ。英語の名称の訳語で、「インターベンション研究」ともよばれ、「実験疫学experimental epidemiology」もほぼ同じ意味で使われる。ある疾病が起こる要因を、仮説に基づいて実験的に加えたり除いたりすることにより、その因果関係を調べる。また、新たに考え出された治療プログラムや予防プログラムを試みて、その有効性について評価する。
介入研究にはいくつか種類があるが、対象者を介入群と非介入群(対照群)に分けて行う無作為割付け試験(ランダム化比較試験、RCT:randomized controlled trial)が、もっとも有効性が高いとされている。治療プログラムにおいては、介入群に対しては新たな治療法を試み、対照群には従来の治療法を用いて比較検証する。予防プログラムにおいては、たとえば介入群には新たな健康教育を試み、対照群には従来の健康指導を行うことで、新たな教育の効果について比較検証する。患者などの人を対象とした介入研究は臨床試験とよばれ、医薬品などの効果を確認するための治験もその一つである。介入研究を行う場合には、日常の診療とは異なる医療行為を伴うなど倫理的な問題を避けて通ることができず、また有効性が立証されるまでに多くの時間を要する。
なお、対象者に治療的介入などを行わず、疾病に対する従来の治療の効果などについて情報を収集して観察する研究は、観察研究とよばれる。
[編集部]
…これを前向き研究prospective studyと称することがある。(3)介入研究intervention study コホート研究に属する方法であるが,この場合は意図的に原因を与える群と与えない群で結果の発生状況の差を調べる方法である。具体的には予防接種をした群と非接種群を設定して罹患率の差を比較し,予防接種の効果判定をするのが好例である。…
※「介入研究」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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