仏陀の生誕地ルンビニ(読み)ぶっだのせいたんちルンビニ

世界遺産詳解 「仏陀の生誕地ルンビニ」の解説

ぶっだのせいたんちルンビニ【仏陀の生誕地ルンビニ】

1997年に登録されたネパールの世界遺産(文化遺産)で、首都カトマンズの南西、タライ高原にある小さな村。紀元前6世紀、インドとの国境沿いの地を支配していた釈迦族の王妃マーヤー摩耶夫人(まやぶにん))は白い象が胎内に入る夢をみて懐妊したという。出産のため故郷に向かう途中、ヒマラヤ山麓にあるルンビニで無憂樹の枝に手をかけると、夫人の右腋から赤子、後の仏陀が誕生した。この仏陀誕生の物語にちなみ、6世紀頃、マーヤーデビ寺院が造営され、一時期は仏教徒の巡礼地として栄えたが、14世紀の記録を最後に忘れさられた。1896年、マウリヤ朝アショーカ王が紀元前3世紀にこの地を訪れて建立した仏陀の生誕地を示す石柱が発掘されると、ふたたび巡礼者が訪れるようになり仏教の聖地となった。マーヤーデビ寺院のほか、マーヤーが出産後沐浴したといわれるプスカリニ池などが残る仏教の聖地、仏陀生誕の地として評価され、世界遺産に登録された。◇英名はLumbini, the Birthplace of the Lord Buddha

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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