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【エネルギー概念の発展】
[仕事と力学的エネルギー]
エネルギーの概念が確立したのは19世紀後半であるが,これと深いかかわりをもつ仕事の概念の歴史はずっと古く,すでに紀元1世紀ごろ,アレクサンドリアのヘロンは,てこや滑車などの機械による仕事について,力に関する利得が速さまたは移動距離に関する損失で帳消しにされるということを述べている。これは現在仕事の原理と呼ばれるもので,詳しくいうと次のようになる。われわれはてこのような機械を利用して機械が物体に大きな力を及ぼすようにすることはできるが,その力(力の物体の移動方向の成分)と移動距離との積=〈機械のする仕事〉は,機械に対してわれわれの加える小さな力と必要な大きな移動距離の積=〈われわれのする仕事〉に等しくなり,(機械に摩擦がなければ)仕事の量は結局機械を用いなかったときとまったく同じになる。…
※「仕事の原理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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