デジタル大辞泉
「仕儀」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
し‐ぎ【仕儀】
〘名〙 事のなりゆき。
有様。経過。実情。また、特に思わしくない結果。始末。
※六波羅殿御家訓(13C中)三一条「つわき遠くはな
なんとするは、人をははからぬしきにて悪き也」
※多情仏心(1922‐23)〈
里見弴〉不動堂「
神仏を相手におそいも早いもあるものですか。仕儀によっては、丑の刻参りさへするぢアございませんか」
[語誌](1)「
時宜」あるいは「時儀」からの意味分化と思われる。「
日葡辞書」に「Xigui
(シギ)。Iigui
(ジギ)という方がまさる〈略〉
成行き、または機会」とあり、
シギとジギとは同じ意味で使用され、ジギの方がより一般的であるとされている。シとジは、「時」の漢音読み「シ」と呉音読み「ジ」によるものか。「志不可起」に「あのしきなどのしきは式をにごるか又は事義
(しぎ)か」とあり、江戸中期においても特定の表記が定着していなかったようである。
(2)「仕儀(仕義)」の表記に定着し始めたのは、江戸時代後期になってからと思われる。
読本や人情本に「仕義」の使用が見られ、
ヘボンの「和英語林集成(
初版)」(
一八六七)でも「仕義」となっている(ただし改正増補版では「時義」)。「仕」は、「
仕事」や「
仕業」など、
当て字で使用されることが多い。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報