他律(読み)たりつ

精選版 日本国語大辞典 「他律」の意味・読み・例文・類語

た‐りつ【他律】

〘名〙
ほか規定。他の規律
② (Heteronomie の訳語) 哲学で、他人支配や法・権威など、自分以外のものに服従すること。カント倫理学では、自分の純粋に道徳的な意志によって行為するのでなく、情欲自愛などによって規定すること。⇔自律
※善の研究(1911)〈西田幾多郎〉三「一つは他律的倫理学説といふので、善悪標準を人性以外の権力に置かうとする者と」

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デジタル大辞泉 「他律」の意味・読み・例文・類語

た‐りつ【他律】

自らの意志によらず、他からの命令強制によって行動すること。⇔自律
他の領域に支配されること。
《〈ドイツHeteronomie》カントの道徳哲学で、意志が理性の先天的な法則に従わず、感性の、自然的欲望に拘束されること。⇔自律

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「他律」の意味・わかりやすい解説

他律
たりつ

自律・他律

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