付け書院(読み)つけしょいん

家とインテリアの用語がわかる辞典 「付け書院」の解説

つけしょいん【付け書院】

書院造り座敷飾りの一つ。座敷から外に張り出した部分を設け、座り机ほどの高さに棚板を取り付けて、その前面明かり障子を入れたもの。棚には硯(すずり)・筆・文鎮などの文房具を飾った。◇鎌倉時代、「書院」と呼ばれる寺院の私的な居間兼書斎とされた部屋に同様のものが設けられるようになり、これは実際の読み書きに用いたもので、「出文机(いだしふづくえ/だしふづくえ)」といった。次第にこの出文机を「書院」というようになり、書院造りに取り入れられ、座敷飾りの一部となった。出文机は甲板の下が空いて脚が入るようになっているが、付け書院では板でふさがれているか、地袋とよばれる戸棚になっていることが多い。後にこれが簡略化され、床の間の横の、縁がある側の壁などに、張り出しや棚を設けずに明かり障子を取り付けたものができ、これを「平書院」と呼んだのに対し、本来の形の書院を「付け書院」といった。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

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