付人（読み）ツケビト

デジタル大辞泉

つけ‐びと【付（け）人】

１ 身のまわりの世話をするためにつけておく人。つきそいの人。つきびと。
「少々可厭いやがっても、是非―は置いて行くと」〈紅葉・多情多恨〉
２ 「付家老つけがろう」に同じ。

つき‐びと【付（き）人】

付き添って身のまわりの世話をする人。現在では多く、芸能人や力士の場合にいう。つけびと。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

つけ‐びと【付人】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 側近としてつけておく人。監督や保護、身のまわりの世話などのためにつけてある人。付き添い。つきびと。
   1. [初出の実例]「浅ましい采女が成行き、其方付人の越度(おちど)と成り、親大判事に勘当を受けたと聞く」(出典：浄瑠璃・妹背山婦女庭訓（1771）一)
3. ② 江戸時代、幕府から親藩に、また大名の本家から分家に、監督などのために付けておいた家老職。また、その職にある人。付け家老。
   1. [初出の実例]「師直はかまくらよりのつけびと。ほかのしっけんとはちがふといへ共」(出典：浄瑠璃・狭夜衣鴛鴦剣翅（1739）三)
4. ③ 侠客(きょうかく)などを応援する人。

つき‐びと【付人】

1. 〘 名詞 〙 付き添って身のまわりの世話をする人。つきそい。かしずき。もりやく。〔詞葉新雅（1792）〕
   1. [初出の実例]「また付人(ツキビト)のあをりから、元木を捨る心にもあらで」(出典：人情本・春色辰巳園（1833‐35）初)
   2. 「行末には御子維盛卿の附人(ツキビト)になさばやと」(出典：滝口入道（1894）〈高山樗牛〉三)

出典　精選版 日本国語大辞典