…ビール1ダースとか米10kgの給付を求める債権が前者であり,所在を示した土地や建物の引渡しを請求しうる債権が後者である。特定物と不特定物(種類物)の区分は,物の客観的性質に従って――代りの物が存するかどうかによって――区分される代替物と不代替物の対置とは異なり,当事者の客体に対する主観的限定の程度の差であるから,場合によっては,そのいずれであるか判然としないこともありうる。たとえば,百貨店で顧客が,ある型式の電気洗濯機を指し〈これを下さい〉と言った場合,この指定されたものを特定物とみるより,〈この型式の電気洗濯機を1台〉と解すべきであろう。…
※「代替物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」