以後(読み)イゴ

デジタル大辞泉 「以後」の意味・読み・例文・類語

い‐ご【以後/×已後】

これから先。今からのち。今後。副詞的にも用いる。「―は班別に行動する」「―気をつけます」
その時よりのち。その後。「三時―は在宅しています」⇔以前
[用法]以後・以降――「五時以後(以降)、この門は閉まる」「以後(以降)、体力が衰えた」「来月以後(以降)の予定」など、その時を含んで過去未来を表すことでは相通じて用いられる。◇「以降」は「明治維新以降、日本の近代化は急速に進んだ」など、ある時点からの時の経過重点を置くことが多い。◇類似の語として「一九五六年以来、彼女パリにいる」のように、ある時点から現在までずっとの意味を表す「以来」や、「一〇年このかた、彼には会っていない」のように、ある時から今までの意味をもつ「このかた」がある。
[類語]その後以降以来爾後爾来あと向こうのち事後今後さき後後あとあと後後のちのち先先直後

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「以後」の意味・読み・例文・類語

い‐ご【以後・已後】

  1. 〘 名詞 〙 ( 多く時、年齢事件などを表わす語に付いて ) その時点を含み、それよりのちの意を表わす。また、その時点を含まないでいう場合もある。以降。
  2. (イ) 過去や未来のある時点、またある年齢を起点にしていう。…よりのち。⇔以前
    1. [初出の実例]「此の洲の人の習として、七歳以後は皆、念仏を修す」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)
    2. 「保元以後は、乱逆打つづいて」(出典:平家物語(13C前)三)
    3. [その他の文献]〔南史‐劉杳伝〕
  3. (ロ) 現在を起点にしていう。今よりのち。これからさき。現在を表わす語「自今」「今より」などが上に付く場合と、単独の場合とがある。
    1. [初出の実例]「今より以後、文時が申さむ事、我に不可奏(そうすべからず)」(出典今昔物語集(1120頃か)二四)
    2. 「鎌倉への往来には、丁どよい中休。以後は一寸一寸(ちょっちょっ)御尋申さふ」(出典:浄瑠璃神霊矢口渡(1770)三)

以後の語誌

( 1 )(イ)と同様に、「以降」「以来」も、年月日時、年齢、事件等を受けて、ある事柄の起こる期間の始点を示すが、「以来」の基準は過去の時点に限られ、「以降」は主として継続的な事柄に関して用いられる。いずれも時点として示される日時・年齢等は、問題の期間に含めるのが通例である(「一二日以後」は一二日を含む)。なお、「後(ご)」は、事件を基準にし(「震災後」「退院後」など)、また期間を示して事柄の起こる時点を指定する(「開通二年後」など)。
( 2 )→「いぜん(以前)」の補注

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普及版 字通 「以後」の読み・字形・画数・意味

【以後】いご

~よりのち。以往。〔後漢書、列女伝序〕故に中興より以後、其の事を綜(す)べ、べて列女を爲(つく)る。

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