デジタル大辞泉
「仮設」の意味・読み・例文・類語
か‐せつ【仮設】
[名](スル)
1 必要に応じて仮に設けること。「災害地に宿泊所を仮設する」「仮設舞台」
2 現実とは別に、頭の中で考えること。また、その内容。
「これは純一が自分で自分を弄んでいる―の問題である」〈鴎外・青年〉
3 「仮定2」に同じ。
[類語]特設・増設
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
か‐せつ【仮設】
〘名〙
① 必要な期間だけ、仮に建てたり、設備したりすること。また、
本物に似せて仮に作ったもの。
② 想像などによって仮に作り出すこと。
事実ではなく考えによって仮にこうだとすること。
※艸山集(1674)二・復南紀澄公書「人乃疑謂、仏法皆虚、
因果報応、仮設而已」
※
弁証法はどういう
科学か(1955)〈
三浦つとむ〉三「自然科学でも、
社会科学でも、想像し予想する形の
理論、いわゆる仮設をつくります」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
仮設 (かせつ)
hypothesis
数学用語。〈xが0でない実数ならばx2は正の数である〉というような〈AならばB〉の形の数学的定理(または命題)において,Aの部分,上の例では〈xは0でない実数である〉をこの定理の仮定または仮設という。Bの部分,上の例では〈x2は正の数である〉をこの定理の結論または終結conclusionという。換言すれば,定理の前提条件が仮設(仮定)であり,結論部分が終結(結論)である。
執筆者:永田 雅宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の仮設の言及
【仮説】より
…事象や法則について説明するために仮に設定された説のこと。しかし仮説は,それまで知られていなかった事象や法則をも説明できるとわかれば,一般には,それは確かなものとみなされるようになり,〈[法則]〉とか〈理論〉と言われるようになる。したがって仮説とは,十分に確かめられる前の法則ないしは理論の姿である,とも言える。しかし,いかに十分に確かめられた法則や理論も,いつかはそれらでは説明しきれない事象や法則に遭遇して反証されてしまい,新しい理論にとって代わられる可能性がある。…
※「仮設」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」