伊曾保物語・伊蘇保物語(読み)いそほものがたり

精選版 日本国語大辞典 「伊曾保物語・伊蘇保物語」の意味・読み・例文・類語

いそほものがたり【伊曾保物語・伊蘇保物語】

[一] キリシタン文学書。イソップ物語の一六世紀末の口語訳本。宣教師の日本語学習用に編纂された。イソップ伝をもつ。寓話七〇話。訳者未詳。文祿二年(一五九三)刊。通称エソポのハブラス(物語)。
[二] 江戸初期の仮名草子。三巻。九四話。「イソップ物語」の翻訳本で、漢字平仮名混じりの文語に訳したもの。訳者未詳。上巻は伊曾保の伝記、中下巻は喩言六四話を収める。慶長・寛永年間(一五九六‐一六四四)に出版された、さし絵なしの古活字本数種をはじめ、万治二年(一六五九)の絵入り整版本など数種の版がある。
[補注](一)と(二)との間には直接の関係はないと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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