伝馬船(読み)テンマセン

デジタル大辞泉 「伝馬船」の意味・読み・例文・類語

てんま‐せん【伝馬船】

木造の小型和船。ふつうかいでこぎ、本船と岸との間を往復して荷などの積み降ろしを行う。はしけ。てんまぶね。

てんま‐ぶね【伝馬船】

てんません(伝馬船)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「伝馬船」の意味・読み・例文・類語

てんま‐せん【伝馬船】

〘名〙 本船に搭載し、岸との連絡荷物の積みおろしに使用する木造の小船近世では二〇〇石積以上の荷船はすべて搭載したが、大きさは本船の積石数の二〇分の一から四〇分の一程度である。伝馬。橋船。はしけ枝船。てんまぶね。
※捕影問答(1807‐08)前「元船大さ、遠見にては、此方五六百積位、帆柱三本、てんま船四艘有之候」

てんま‐ぶね【伝馬船】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「伝馬船」の意味・わかりやすい解説

伝馬船
てんません

本船と岸との間を往来して荷物または人を運ぶための小船。橋船(はしふね)ともいう。近世の大型船は航海中に伝馬船を船上に搭載する必要があったため、その大きさは800石積みの船の場合には20石積みというように本船の40分の1を標準とした。船体は二階造りの典型的な和船構造であるが、一本水押(みよし)の先端は上棚(うわだな)上縁より突出しないのが特徴である。推進具は1~8丁の櫓(ろ)または櫂(かい)で、大型のものは帆も装備する。

 現代では、港内や河川で使われる通船、雑用船などを含めた広範な小船の名称として用いられている。

石井謙治

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百科事典マイペディア 「伝馬船」の意味・わかりやすい解説

伝馬船【てんません】

大型の船に付属して陸岸との往来などの作業に従事する小型の船。通常,船尾左舷に櫓(ろ)を備え1人でこぐ。操船自由で軽快。また漁船機帆船,沿岸用発動機船などが救命,連絡用などとして積載することも多い。
→関連項目サンパン

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