出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
( 1 )「僧伽藍摩」の略であるが、他に「僧伽藍」という語形が「往生要集」などに見える。「僧伽(そうぎゃ)」で仏道修行者の集団をいい、その集うところ全体をいったもの。
( 2 )基本的には七つの堂舎からなり、「七堂伽藍」ともいうが、七堂の具体的内容および配置は宗派などによって異なる。
普通は僧侶(そうりょ)の住む寺院などの建築物をいう。サンスクリット語のサンガーラーマsaghārāmaの音写語「僧伽藍摩(そうぎゃらんま/そうがらんま)」の略で、衆園(しゅうおん)、僧園(そうおん)、僧院などと漢訳される。修行僧が集まって仏道を修する閑寂な場所をいったが、のちには転じて寺院の建造物を意味する語となった。
寺院の主要な七つの建物を具備しているのを「七堂伽藍」という。その内容や名称は宗派などによって異なるが、禅宗では、仏殿、法堂(はっとう)、三門、庫院(くいん)、僧堂、浴室、東司(とうす)(御手洗)をいう。なお、禅宗の僧侶が寺院に住職するときに、弟子と師匠の関係で相承(そうじょう)されるのを「人法(にんぽう)」というのに対し、伽藍のみの関係は「伽藍法(がらんぽう)」といわれる。
[阿部慈園]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…仏教の宗教活動の中心となる建物およびその所在する領域(境内)。精舎(しようじや),僧伽藍(そうぎやらん)(伽藍(がらん)),仏刹(ぶつさつ),寺(てら)などとも呼ばれ,仏舎利をまつる塔,仏像や諸尊像をまつり仏事供養を行う諸堂,僧侶の修行のための諸施設,布教のための諸施設などを含む。
[インド]
仏教寺院は,釈迦が比丘(びく)たちの修行のため,雨季に一定の土地を画して(結界)止住させた(安居(あんご))ことに始まる。…
…仏陀をまつるところを指す浮屠祠(ふとし)の名は後漢代から,学舎の意の精舎も魏・晋代(3世紀)から用いられた。南北朝(5~6世紀)ころから浮屠は仏塔のみを指すようになり,寺院全体はsaṃghārāma,āraṇyaの音を移した僧伽藍(そうぎやらん)(僧伽藍摩ともいう),阿蘭若などとも呼ばれ,また伽藍,蘭若などと略称されることが多くなった。
[形態と機能の変化]
インドは乾季と雨季が明確で,乾季には広場で儀式や集会が行われ,雨季には僧房で安居の行をし,また仏陀を礼拝するのが伽藍のおもな機能であったが,中国では雨雪や極寒期もあって,一山大衆を屋内に収容し儀式や教学の集会を行う必要が生じた。…
…また野外の主ストゥーパの周囲に信者たちが小型のストゥーパ(奉献塔)を競って造立することもあった。元来ストゥーパ供養に冷淡であった比丘たちもこれを受容するようになり,僧院とストゥーパとによって伽藍が構成されるようになった。 当初のストゥーパは土製であり,アショーカ王のころには煉瓦,前2世紀末期には石材が用いられるようになった。…
※「伽藍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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