岩石学辞典 「低速度層」の解説 低速度層 地球内部で地震波の速度がその上下の部分に比べて遅い層.地球内部の核は地球内最大の低速度層であるが,一般に地球のマントル内部の深さ約100~200kmにかけての上部マントル内に存在するものを指すことが多い.地震波の速度は地域差がある.低速度層に相当する温度圧力条件では岩石が部分熔融をおこしていて,そのために地震波速度が低下すると説明されている.マントル内低速度層は横波(S波)についてはほぼ汎世界的に存在すると考えられているが,縦波(P波)については異論がある.深さや速度には地域差があり,普通の大陸では深さ約100~120km程度の厚さで存在し,S波の速さがその上下よりも約0.3km/sec程度遅く,海洋地域では70km程度の深さから始まり,速さは0.3km/sec程度遅い[長倉ほか : 1998,地学団体研究会 : 1996].LVLと略記する場合がある. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報