朝日日本歴史人物事典 「佐山検校」の解説
佐山検校
生年:生年不詳
江戸前期の地歌箏曲家。狭山とも記す。名は本一。寛文6(1666)年,検校。柳川検校門弟と伝えられ,同門の浅利検校と共に江戸で活躍。『律呂三十六声麓之塵』(1732)によれば,三味線組歌本手組のモロバチ(上から下に撥をおろす普通の弾き方と下からすくい上げるスクイバチをつなげて弾く)が当時の人の好みに合わないと考え,破手組のカタバチ(スクイバチをつなげずに弾く弾き方)から工夫した長歌を創始した。「木遣」「雲井弄斎」「恋衣」「桜尽」「小夜衣」「冬草」など,彼の作曲した長歌12曲の歌詞が『松の葉』(1703)に収録される。「砧」「三段獅子」なども作曲。一説に11月14日没とも。
(野川美穂子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報