朝日日本歴史人物事典 「佐藤勝三郎」の解説
佐藤勝三郎
生年:嘉永6(1853)
明治期りんご栽培・販売の先覚者。青森県南津軽郡藤崎町生まれ。明治17(1884)年,キリスト教信者となり,20年,藤崎メソジスト教会を設立。教会に集まった長谷川誠三らを中心として,ジョン・イングに師事して西洋りんご栽培を志し,同18年,株式会社敬業社を設立した。佐藤はりんごの栽培から販売まで担当し,青森・函館・横浜などに出荷して経営実績を上げたが,27年ごろからりんごの病虫害に悩まされるようになり,34年,敬業社はついに解散した。佐藤は,りんごを明治天皇に献上するなどして普及に努めた。その他政界では郡会議員を務め,実業界では陸奥鉄道の設立にも貢献し,その取締役にも就任した。
(長谷川成一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報