何も・孰も(読み)いずれも

精選版 日本国語大辞典 「何も・孰も」の意味・読み・例文・類語

いずれ‐も いづれ‥【何も・孰も】

〘代名〙
① 他称。複数の人を指す。中世から近世にかけて用いられた。
※虎明本狂言・雁盗人(室町末‐近世初)「はやおのおのへ人をやったれは、いつれもござらうと仰らるるが」
対称。複数の人を指す。中世から近世にかけて用いられた。→いずれもさま②。
※虎寛本狂言・右近左近(室町末‐近世初)「ハア、何れも近来(ちかごろ)御太儀に存じまする」
③ 複数の事物を指す。どれも。
※虎明本狂言・夷大黒(室町末‐近世初)「汝がのぞむ、金銀珠玉、いつれもいつれも、ほしい物を心のままに、つりとるつりばりを」
④ 結局。とにかく。いずれにしても(日葡辞書(1603‐04))。
[補注]ある範囲からの選択を示す「いづれ」に係助詞「も」のついたものが一語化したもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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