余韻・余韵(読み)よいん

精選版 日本国語大辞典 「余韻・余韵」の意味・読み・例文・類語

よ‐いん ‥ヰン【余韻・余韵】

〘名〙
① 音のあとにかすかに残って続くひびき。また、音が消えたあと、耳に残っているかすかな音。余音。
※藤原為景朝臣詩集(1652頃)和春夜聴雨「誰吹長笛春景余韻雲流碧天
※風流仏(1889)〈幸田露伴〉九「琴の糸断えて余韵(ヨヰン)のある如く」
② 事が終わったあとになお残る風情や、詩文などの言外の趣にたとえていう。
※俳諧・古学截断字論(1834)上「なの字は日本(やまと)助語にして、漢には那の字を用る也。是を詠嘆の余韻といへば、那兮(なあ)と詞を詠べし」 〔欧陽脩‐峴山亭記〕
③ (━する) ある性質、傾向などが他に影響を及ぼすこと。
※島崎藤村論(1953)〈亀井勝一郎漂泊のしらべ「この一篇が、彼の全作品に、最後まで余韻して行くことに注目しなければならぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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