作込・造込(読み)つくりこむ

精選版 日本国語大辞典 「作込・造込」の意味・読み・例文・類語

つくり‐こ・む【作込・造込】

[1] 〘他マ下二〙
① つくって中に入れる。中にはめこむ。また、中に入れてつくる。
※幸若・大織冠(寛永版)(室町末‐近世初)「あるきさきのざんにより、うつぼぶねにつくりこめ、さうは万里へながさるる」
② 酒や醤油などを醸造するために仕込んでおく。
日葡辞書(1603‐04)「ソノ ウチニ スグレタ イロシナノ メイシュヲ tçucuricometa(ツクリコメタ)
③ びっしりとつくる。すきまのないようにつくる。
※日本書紀桃源抄(15C後)「やゑがきをかさねて〈略〉つくりこめて大虵のくるをふせぐぞ」
[2] 〘他マ五(四)〙
① (一)①に同じ。
※俳諧・文化五六年句日記‐五年(1808)一二月一六日「鳥の巣に作り込れし桜哉」
② (一)②に同じ。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)六「作(ツク)り込(コミ)し味噌のすて所なく」
③ (一)③に同じ。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)一〇「逼側とは家をつくりならぶるぞ。すきもなくつくりこうたを云歟」
搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉にほひ「大さう作り込んで何処へ行くね」

つくり‐こみ【作込・造込】

〘名〙 つくりこむこと。仕込んでおくこと。
随筆耳嚢(1784‐1814)四「当年造込の酒三四本変りて大きなる損せしと語ければ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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