保活(読み)ホカツ

デジタル大辞泉 「保活」の意味・読み・例文・類語

ほ‐かつ〔‐クワツ〕【保活】

子供認可保育所に入園させるための活動。特に、待機児童にならないよう、育児休業期間を調整したり、引っ越しをしたりするなどの積極的な活動をすること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「保活」の解説

保活

子ども保育所に入れるために保護者が行う活動。都市部では、保育所の入所希望者が定員を上回り、入所できない待機児童が多数いるため、入所選考の際に有利になるように就労条件を変更したり、入所しやすい保育所の近くに引っ越したりするなど、涙ぐましい努力をしている保護者も多い。「保活」は、こうした活動を指す造語で、就職活動を「就活」、結婚相手を探す活動を「婚活」と呼ぶようになったのに続いて登場した。
育児休業制度の普及近年の経済情勢の悪化などを背景に、出産後も働く女性が増えるなど、保育所の需要は高まっている。厚生労働省によると、認可保育所の定員は増えているもののまだまだ足りないのが現状だ。待機児童は近年増加傾向にあり、2009年4月時点で約2万5千人。全市区町村の約2割に当たる377市区町村におり、50人以上いる市区町村は101あった。首都圏近畿圏などの都市部に多く、仙台、東京・世田谷、横浜、川崎、名古屋、大阪の6市区では500人以上だった。
各市区町村では、保育がより困難な家庭の子どもを優先的に入所させるため、保護者の就労・出産・疾病・介護などを状況に応じて指数化して、得点の高い順に受け入れるなどの選考方法を採用している。このため、保護者たちは保育環境などを調べて入所先を選ぶだけでなく、長時間労働に変更して点数を上げたり、育児休暇の切り上げや待機児童の少ない地域への引っ越しによって広い入所枠を狙ったりして、狭き門を突破しようとしているのだ。

(原田英美  ライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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