信友会(読み)しんゆうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「信友会」の意味・わかりやすい解説

信友会
しんゆうかい

大正時代の労働組合。1916年(大正5)10月に欧文活版工の組合である欧友会解散・再組織し、欧文植字工組合信友会として発足(翌年4月発会式)したが、18年1月に全印刷工に加入を呼びかけ活版印刷工組合信友会に改編した。当初は「会員ノ相愛扶助ヲ旨トシ自覚ヲ喚起シ地位ノ向上ヲ図ル」(「規則」)という、労使協調的地点から出発したが、のちには国際労働会議労働者側代表が官選されたため反対運動を行ったのをはじめ、8時間労働制の要求、賃金値上げ要求、あるいは日本初のメーデー開催に奔走するなどの行動をとるようになった。20年ごろにはアナキズム色彩を強め、サンジカリスト派の中核となる。24年に新聞印刷工組合正進会合同して東京印刷工組合となった。

[成田龍一]

『隅谷三喜男著『日本労働運動史』(1966・有信堂)』

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百科事典マイペディア 「信友会」の意味・わかりやすい解説

信友会【しんゆうかい】

大正期,東京を中心としたアナルコ・サンディカリスム系の印刷工組合。欧友会(1907年―1916年)解散のあとを受け1917年創立。第1回メーデーの開催,労働組合同盟会の結成などの推進力となり,友愛会と並ぶ労働運動の中心勢力だった。1924年新聞印刷工組合の正進会と合同,東京印刷工組合に発展的に解消

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