信時潔(読み)ノブトキキヨシ

デジタル大辞泉 「信時潔」の意味・読み・例文・類語

のぶとき‐きよし【信時潔】

[1887~1965]作曲家。大阪の生まれ。ドイツ留学し、ゲオルクシューマン師事作品に「海行かば」など。

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精選版 日本国語大辞典 「信時潔」の意味・読み・例文・類語

のぶとき‐きよし【信時潔】

作曲家。東京音楽学校本科卒業後ドイツに留学。帰朝後、母校教授として歌曲海ゆかば」、ピアノ曲「木の葉集」、カンタータ海道東征」などを作曲。昭和三八年(一九六三文化功労者に選ばれた。明治二〇~昭和四〇年(一八八七‐一九六五

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改訂新版 世界大百科事典 「信時潔」の意味・わかりやすい解説

信時潔 (のぶとききよし)
生没年:1887-1965(明治20-昭和40)

作曲家。京都に生まれ大阪で育つ。東京音楽学校でチェロと作曲を学ぶ。1920年から約2年間,文部省派遣留学生としてベルリンに滞在。バッハベートーベンからレーガー,R.シュトラウス,スクリャービン,シェーンベルクまで実に豊富な作品に触れ,多数の楽譜や音楽書を東京に持ち帰った。信時の蔵書(とくにシェーンベルク関係文献)が日本における20世紀音楽の受容に果たした役割は大きい。帰国後,1923年から母校の教授として門下生の育成に努めた。42年芸術院会員,63年文化功労者。作品には,〈紀元2600年〉(1940)を祝して初演されたカンタータ《海道東征》,ピアノ曲《木の葉集》,合唱曲《海行かば》(1937。詞は大伴家持による),歌曲《小倉百人一首》《沙羅》などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「信時潔」の意味・わかりやすい解説

信時潔
のぶとききよし
(1887―1965)

作曲家。大阪生まれ。東京音楽学校でチェロと作曲を学び、1910年(明治43)卒業後さらに研究科を修了して、20年(大正9)ドイツに留学、作曲をゲオルク・シューマンに師事。帰国後母校の教授を務めた。42年(昭和17)芸術院会員、63年(昭和38)文化功労者。作風はドイツの古典的手法による堅実で荘重なもので、『木の葉集』(1934)などのピアノ曲、『沙羅(さら)』(1935)、『やまとには』(1939)などの歌曲や合唱曲が多い。紀元2600年記念祭で初演された交声曲『海道東征』(1940)は、日本人の手になる本格的なカンタータとしてしばしば演奏され、また大伴家持(おおとものやかもち)の歌詞による合唱曲『海ゆかば』(1937)は第二次世界大戦中によく歌われた。

[船山 隆]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「信時潔」の意味・わかりやすい解説

信時潔
のぶとききよし

[生]1887.12.29. 大阪
[没]1965.8.1. 東京
作曲家。 1910年東京音楽学校卒業。 20年ドイツに留学し,G.シューマンに師事。 23~32年東京音楽学校教授。ドイツ風の古典的和声に忠実で堅実な作風で,第2次世界大戦中は作品『海ゆかば』が非常に広く歌われた。代表作は歌曲『沙羅』,交声曲『海道東征』,合唱曲『あかがり』など。 42年帝国芸術院会員となり,63年文化功労者に選ばれた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「信時潔」の解説

信時潔 のぶとき-きよし

1887-1965 大正-昭和時代の作曲家。
明治20年12月29日生まれ。東京音楽学校(現東京芸大)卒業後ドイツに留学し,ゲオルク=シューマンに師事。大正12年母校の教授となる。昭和17年芸術院会員。38年文化功労者。昭和40年8月1日死去。77歳。大阪出身。作品に「海道東征」「海行かば」「沙羅(さら)」など。

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百科事典マイペディア 「信時潔」の意味・わかりやすい解説

信時潔【のぶとききよし】

作曲家。京都に生まれ大阪で育つ。東京音楽学校卒。1920年から2年間ドイツに留学。帰国後は母校の作曲科教授として音楽教育に貢献。作品は堅実な手法の歌曲が多く,合唱曲《海行かば》が有名。1942年芸術院会員,1963年文化功労者。

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