俯(漢字)

普及版 字通 「俯(漢字)」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)
15画

[字音]
[字訓] ふす・うつむく・ねる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は府(ふ)。〔説文〕九上に正字をに作り、「頭を低(た)るるなり」という。また「太の卜書に、仰(ふぎやう)の字は此(かく)の如くす」とあって、卜法に関する字であるらしい。兆は卜兆、頁(けつ)は儀礼の際の儀容を示す形であるから、おそらく門などで卜するとき、その卜兆を審視する意の字であろう。ゆえに俯視の意となる。〔説文〕にまた一体として、俛を録する。俯も列国期以後にみえる字であるが、〔説文〕に収めていない。

[訓義]
1. ふす、うつむく、かがむ。
2. ねる、かくれる、身をふせる。

[古辞書の訓]
名義抄〕俯 フシアフグ・フス・フシドコロ・イタル・タル・ハジメ/俯仰 ワレニモアラズ・フシアフグ 〔字鏡集〕俯 タル・ツキテ・ツハヒラカ・アマネク・フス・ツク・ワク・アタ・クダル・フシドコロ・ハジメ・シリヘ

[語系]
俯(俛・pioは同声。pioも同声の字で、俯したままで仰ぐことのできない病をいう。

[熟語]
俯允俯傴俯映俯鑒俯瞰・俯窺俯泣・俯仰俯刑俯査・俯察・俯思・俯視・俯首・俯拾・俯就俯准・俯順俯眺俯暢俯聴俯念・俯拝・俯伏・俯・俯覧俯臨俯僂俯聆
[下接語]
畏俯・陰俯・仰俯・興俯・退俯・拝俯・卑俯・容俯

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報