倉吉往来(読み)くらよしおうらい

日本歴史地名大系 「倉吉往来」の解説

倉吉往来
くらよしおうらい

近世、倉吉町から松崎まつざき宿(現東郷町)を経てその(現泊村)地内で伯耆街道に合流する街道。松崎街道・うま往来・殿様とのさま道などともよばれた。また寛延(一七四八―五一)頃の倉吉絵図(県立博物館蔵)には当往来の倉吉町出口付近とみられるところに因幡道とみえる。知坂ちざか峠を越える不便があったため、近世後期には上井あげい村から天神川右岸を北上し、伯耆街道上の長瀬ながせ宿(現羽合町)に至る道が多く使われるようになった。知坂峠越の倉吉往来は倉吉町の下横しもよこ(鳥取口)を出て東に向かい、下田中しもたなか村の北方竹田たけだ(天神川)を渡河、上井村から知坂峠を越え長和田なごうた(現東郷町)東郷とうごう池南岸の野花のきよう(現同上)を通り松崎宿に至る。同宿からははら村・園村(現泊村)を経て泊宿(現同上)に至った。この道筋は古代山陰道とほぼ同じと推定されている。

享保一一年(一七二六)の「因伯地理志」によると、倉吉町から河村かわむら郡境まで二六町二四間(道幅二間)久米くめ郡境から上井村まで三町三一間、以後長和田村まで三〇町二〇間、野花村まで七町三〇間、引地ひきじ(現東郷町)まで八町、松崎宿まで一一町、原村まで一里二一町、泊宿まで二七町五七間で、道幅はほぼ二間であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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