倉歴道(読み)くらぶのみち

日本歴史地名大系 「倉歴道」の解説

倉歴道
くらぶのみち

そま川沿いに甲賀郡から伊賀国へ抜ける古道で、倉歴越・油日あぶらひ越ともよばれ、仁和以前東海道のルートと考えられる。古くから軍事・交通上の要地とされ、歌枕ともなった。「日本書紀」天武天皇元年(六七三)七月二日条によれば、壬申の乱において大海人皇子が、数万の大軍を倭古京に進発させた。また多臣品治に命じ、三千の兵を萩野たらの(現三重県阿山郡伊賀町と甲賀町の境界付近)に駐屯させるとともに、田中臣足麻呂を遣わして「倉歴道」を守らせたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android