出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これに対して第2次大戦後の国際連合憲章(1945年6月締結,同年10月発効)は,〈すべての加盟国は,その国際関係において,武力による威嚇又は武力の行使を,……慎まなければならない〉(2条4項)として,事実上の戦争をも禁止することで戦争の違法化を大きく前進させた。しかし憲章は,加盟国の〈個別的自衛権〉を承認するとともに新しく〈集団的自衛権〉を認めたために,自衛権を名目とする武力行使の可能性が広がった面のあることは否定できない。
[日本国憲法における戦争の放棄]
上のような背景を考慮して,日本国憲法における戦争の放棄の特色を考えると,第1に,平和的生存権という新しい人権を保障する目標のもとに戦争放棄が位置づけられていること,第2に,事実上の戦争を含めて広く戦争を放棄していること,第3に,戦争放棄に対する実効的方法として新たに〈陸海空軍その他の戦力〉の不保持と〈交戦権〉の否認をつけ加え,結局,自衛権を名目とした戦争をも否定していること,の3点を指摘することができる。…
※「個別的自衛権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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