デジタル大辞泉
「偕楽園焼」の意味・読み・例文・類語
かいらくえん‐やき〔カイラクヱン‐〕【×偕楽園焼】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
かいらくえん‐やき ‥ヱン‥【偕楽園焼】
〘名〙 御庭焼の
一つ。紀州徳川家一〇代藩主治宝
(はるとみ)が、その隠居所西浜御殿の庭、偕楽園に窯
(かま)を築き焼成させたもの。京都から永楽保全、
仁阿彌道八、楽了入、楽旦入らが招かれた。
交趾(コーチ)写しと寿字紋が
特徴である。なお、
後年の清寧軒焼と共に紀州御庭焼と呼ばれる。紀州焼。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
偕楽園焼
かいらくえんやき
紀州第10代藩主徳川治宝(はるとみ)が別邸西浜御殿内で焼かせた御庭(おにわ)焼。西浜御殿は和歌山市西浜3丁目付近にあったと推定される。治宝は1819年(文政2)3月に御殿が完成してまもなく、京都の楽焼(らくやき)の陶工を招いて開窯し、以後、27年、31年(天保2)、37年と焼造は前後4回にわたって行われたと考えられる。偕楽園の称は邸の庭園の名称に由来し、「偕楽園製」の印銘のほか、参加した主として京都の陶工の印を捺(お)した作品も多い。楽焼に始まり、青磁、染付(そめつけ)、色絵(いろえ)、黄釉(こうゆう)、交趾(こうち)、白磁などすこぶる多彩である。
[矢部良明]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例