元広山(読み)もとひろやま

日本歴史地名大系 「元広山」の解説

元広山
もとひろやま

[現在地名]吉舎町辻

近世、広島藩内で烽火山に指定されていた、いわゆる火山の一つ。標高四六四メートル。元広山は雲通の水呑うづいのみのみ山の烽火を受けて、山中福田やまなかふくだ(現世羅郡世羅西町)波多古屋はたごや山へ継送する任務を負わされていた。

元広山に関する現存する文書のうち、享保九年(一七二四)つじ村庄屋が、元広山の平素火の用心と、火山に指定されている事実を決して他言しない旨を三谿みたに郡の代官に誓約したものが古く、以後、火山内密御用掛に任命されていた辻村庄屋と組頭の交代、また三谿郡の代官の交代のたびに改めて三谿郡代官へ提出した「御内密御用御請書附」などと題する状が十数通残り(後藤家文書)、「御内密火山御用之儀、他言他見決不仕」、関係書類の保管は「封印仕大切ニ所持可仕、若両人之内遠方へ罷越シ候ハバ、残居候もの方へ念入預置可申候」と誓っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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