兄なあ(読み)セナア

デジタル大辞泉 「兄なあ」の意味・読み・例文・類語

せ‐なあ【兄なあ】

《「せ(兄)な」の音変化》
田舎の若い男性。
あまっ子―が屈竟の出合場処として」〈魯庵社会百面相
兄。また、長兄
小梅の―が柴の戸をたづねて」〈人・梅児誉美・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「兄なあ」の意味・読み・例文・類語

せ‐なあ【兄なあ】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せな(兄━)」の変化した語 )
  2. 兄。兄貴。また、長兄のこと。
    1. [初出の実例]「因に関東〈略〉惣領式はせなあと云り」(出典:俳諧・世話尽(1656)以呂波寄)
    2. 「新田の浅右がとこのせなあが、勘平のやくよ」(出典:滑稽本・田舎草紙(1804)一)
  3. いなかことばで、若い男。
    1. [初出の実例]「ホンニさあ、げへに見事なア毛色(けいろ)だ。あんちう鳥(とり)たんべへ。あんねへもせなあも出て見され」(出典:咄本・蝶夫婦(1777)見物)
  4. 愛人である男をいう。
    1. [初出の実例]「兄さんとしゃれてせなぁに逢ひに出る」(出典:雑俳・柳多留‐九(1774))

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