光化学電池(読み)コウカガクデンチ

デジタル大辞泉 「光化学電池」の意味・読み・例文・類語

こうかがく‐でんち〔クワウクワガク‐〕【光化学電池】

光化学反応を利用した電池総称溶液中の電極に光を照射したり、溶液が光を吸収して化学変化を起こしたりして生じる起電力を利用する。いずれもシリコン太陽電池に比べて、エネルギー変換効率は高くない。

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化学辞典 第2版 「光化学電池」の解説

光化学電池
コウカガクデンチ
photochemical cell

化学反応を利用した電池.電極あるいは溶液中の色素の光吸収によって起こる化学反応を利用する.たとえば,透明な導電性ガラス板に二酸化チタン粉末を焼付け,色素を吸着させた電極によって太陽光を受け,電解質溶液の Fe3+/Fe2+ や I/I2酸化還元反応を起こさせる電池を開発し,色素増感太陽電池とよんでいる例がある.このような湿式太陽電池は,n型あるいはp型半導体を電極として研究されているが,現在のところ,エネルギー変換効率や使いやすさの点でシリコン太陽電池には及ばない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「光化学電池」の意味・わかりやすい解説

光化学電池 (ひかりかがくでんち)
photochemical cell

光化学反応を利用した電池。1839年A.E.ベクレルは,ある種の電解質溶液に2電極を入れ,一方の電極に光をあてると両極間に電位差を生ずることを発見した。これは光の吸収によって溶液内で酸化,還元反応が起こるためで,2電極を陰陽両極とする電池を光化学電池という。フェロシアン化バリウムやヨウ化銀の溶液でみられ,太陽光エネルギーから電気エネルギーへの転換などに利用されている。
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