免疫賦活剤(読み)めんえきふかつざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「免疫賦活剤」の意味・わかりやすい解説

免疫賦活剤
めんえきふかつざい

生体の免疫機能を活性化させ,低下している防御力を増強させる薬物。最近では,BRM (生物学的応答調整物質) の中心的なものとして癌の免疫療法に用いられる。丹毒高熱を発した患者が自然治癒した例や,結核やハンセン病患者に癌が少ないという疫学的事実から,免疫賦活剤開発のアイディアが生れた。薬効成分の大部分キノコや細菌由来の高分子多糖類で,免疫機能を刺激することによって間接的に抗癌作用を示す。クレスチンピシバニール,ソフィニラン,ベスタチンなどが販売され,化学療法剤との併用によって効果をあげている。従来,このタイプの薬物は日本だけで汎用されてきたが,近年エイズの発生などから免疫関連の薬物が注目されはじめ,欧米でも関心が高まってきている。

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