全国購買組合連合会(読み)ぜんこくこうばいくみあいれんごうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全国購買組合連合会」の意味・わかりやすい解説

全国購買組合連合会
ぜんこくこうばいくみあいれんごうかい

産業組合購買部門の全国組織で、肥料や日用品など農業生産・農家生計物資の全国的な購買協同組合。1923年(大正12)設立。40年(昭和15)12月に全国米穀販売購買組合連合会、大日本柑橘(かんきつ)販売組合連合会と合同して全国購買販売組合連合会に改組許可(翌年1月業務開始)され、農業団体法制定により43年9月全国農業経済会に改組された。全国購買組合連合会は大正期の農民的小商品生産の発展背景にして、第一次世界大戦期以降急成長を遂げたが、これは23年の大日本人造肥料による他の二社の合併で独占的肥料工業が成立し、その販売市場支配の要請に添うものであった。その後昭和恐慌後の産業組合拡充運動のなかで急成長を遂げ、第二次大戦後47年(昭和22)の農業協同組合法により中央機関とし再建された。

[森 武麿]

『井上晴丸著『協同組合論』復刻版(1947・雄渾社)』

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世界大百科事典(旧版)内の全国購買組合連合会の言及

【産業組合】より

…第1次大戦の影響で農村経済が潤った時期に,組合員は100万人から200万人へと倍増したが,大戦後の1920年代,30年代には,不況・恐慌の下で農業経営が困難に直面し,地主と小作人との争いが激化したので,政府は産業組合の育成・普及を農業政策の重点とした。1923年の産業組合中央金庫と全国購買組合連合会の設立,産業組合への低利資金の多額融通などはこの一環である。また,1933年から官民総がかりで展開された産業組合拡充計画の効果は大きかった。…

※「全国購買組合連合会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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