全曲率
ぜんきょくりつ
total curvature
ガウスの曲率ともいう。曲面 S 上の1点 P(x(u,v),y(u,v),z(u,v)) における第1基本量を E ,F ,G ,第2基本量を L ,M ,N とすると,その点における主曲率は,方程式
の2根 1/R1 ,1/R2 で与えられる。この方程式を du ,dv で偏微分して計算すると,根と係数の関係によって
が得られる。この K を全曲率,また H を平均曲率という。導入は上記のとおりだが,全曲率は第2基本量を使わず,第1基本量とその導関数のみで表現できる。 C.F.ガウスはこれを黄金の定理と呼んだ。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の全曲率の言及
【曲率】より
…PにおけるSの法線(PにおいてSに垂直に交わる直線)を含むすべての平面を考え,これらの平面によるSの切口である曲線の曲率(≧0)に,法線のある向きに関して曲線が凹であるか凸であるかに応じて正負の符号をつける。これらの最大値および最小値をPにおけるSの主曲率といい,これらの相加平均を平均曲率,これらの積をガウス曲率または全曲率という。全曲率が正ならば,Pの近くの点は接平面の片側にあり,全曲率が負ならばPの近くで曲面は馬の鞍(くら)の形をしている。…
※「全曲率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」